十善戒は真言宗やその他の仏教信者にとって一般的になった戒です。
四国遍路をする方にも馴染みがある言葉だと思います。
真言宗を伝えた空海によると、
解脱し、即身成仏するためには、三業と言われる行為、言葉、意思の3つを整え、正す必要があると伝えました。
私たちはその3つの行いによって業を作るので三業と呼び、仏の行いは三密と呼びます。
これらの戒は私たちの三業を三密にするための禁止事項なのです。
十善戒
冒頭: この身今生より 未来際をつくすまで 十善の御教えを 守りたてまつらん
でしむこう じんみらいさい
弟子某甲 尽未来際
ふせっしょう ふちゅうとう ふじゃいん
不殺生 不偸盗 不邪淫
ふもうご ふきご ふあっく ふりょうぜつ
不妄語 不綺語 不悪口 不両舌
ふけんどん ふしんに ふじゃけん
不慳貪 不瞋恚 不邪見
解説
弟子某甲・・・仏に使える弟子として
尽未来際・・・未来の際まで尽くす、未来永劫まで尽くす
不殺生・・・むやみに生き物を殺さない
不偸盗・・・他人のものを盗んだり、他人のものを自分のものとしない
不邪淫・・・みだりに性的な行為にふけらない
不妄語・・・嘘をつかない
不綺語・・・不必要なおしゃべりをしない
不悪口・・・乱暴で粗悪な言葉を使わない
不両舌・・・矛盾し、一貫性のないことを言わない
不慳貪・・・ものを惜しみ、貪欲にならない
不瞋恚・・・怒りや憎しみにとらわれない
不邪見・・・ものごとの間違った見方をしない おごったり、卑屈になったり、被害妄想などの妄想に取り憑かれたりしない
戒は毎日の積み重ね
仏教における戒は、基本的に僧侶と在家の人によって細かい違いがあるだけで、戒によって守ろうとしていることは同じです。
私たちの行為によって起こる業を極力減らすための行いとして、戒が決まっています。
ただ守るべきものとして、理由が不明瞭なわけではないということです。
この行いを正し、精神的に統一集中できる状態に達するための毎日の積み重ねになります。
コメント